美容皮膚科で行うケミカルピーリングと自宅で行うホームピーリングの効果の違いとは?

初めての方は、当サイトの理念をご覧下さい。

ピーリングとは?

ピーリングは「皮をむく」という意味です。

カーボンピーリング・ダイアモンドピーリングなど、機材を使用したピーリングもありますが、ここでは現在主流になっている、薬剤を塗るピーリングについて解説します。

皮膚疾患や老化肌の治療目的で、医療機関(美容皮膚科など)で行う「ケミカルピーリング」と、美肌力をサポートするケアとして人気が高い、ご自宅で行う「ホームピーリング」があります。

ケミカルピーリングとは?

化学薬品を顔に塗布して、皮膚の角質を溶解することによる肌改善治療で、美容皮膚科などの医療機関でしか行えないことになっています。

また、安全に行うためのガイドライン(日本皮膚科学会提唱)が定められています。


ケミカルピーリングの効果

ケミカルピーリングによって角質を取り去ると、肌細胞の再生が活発になります。

その結果、表皮内に貯溜されているメラニン色素が浮き上がって角質と共に剥離されるため、日焼けによるシミが薄くなります。同時に、淀んだクスミにも有益です。

真皮層に存在するコラーゲンの生成にスイッチが入り、浅いシワ(小ジワやちりめんジワ)や毛穴の開きが目立たなくなります。

また、皮脂や角質などが詰まって塞がった毛穴の出口が開通するため、ニキビができにくくなります。
さらに、毛穴周りの皮膚が柔らかくなり、膿が排泄されやすくなるので、赤みを伴った炎症性ニキビにも有効です。

ちなみに、ニキビの元になるアクネ菌の研究では、かなり前から効果的であることが謳われています。

『ケミカルピーリングは,強力な角栓除去効果をもつ点が既存のアクネ治療になかったユニー クな点である。ケミカルピーリングにより,アクネの種々の症状が軽快することより,ケミカルピーリングはアクネ治療のー療法として画期的な治療法であるといえる』
※引用:船坂 陽子(2003年).アクネに対するケミカルビーリング 日本香粧品学会誌,Vol.27,No.2/108-111

ケミカルピーリングに使用される主な化学薬品
■サリチル酸(BHA)
白色の針状結晶または軽質の結晶性粉末の酸。多くはサリチル酸マクロゴールが使われている。
■グリコール酸(AHA)
白色結晶あるいは結晶性粉末の酸。サトウキビ、未熟のブドウの実や葉などに存在する成分で、クロロ酢酸を加水分解、またはグリシンに亜硝酸を作用させて得られる。
■乳酸(AHA)
無色~淡黄の粘り気がある酸。動植物界に広く存在しており、デンプンを用いた発酵法や、アセトアルデヒドに青酸を作用させる合成法により製造されている。

※参考: 山科峯緒『化粧品成分用語事典2008』(中央書院、2008年2月15日発行)

BHA(ベータヒドロキシ酸)は油溶性で、AHA(アルファヒドロキシ酸)は水溶性である。

サリチル酸は、肌への刺激(皮むけ・肌荒れなど)が極めて少なく効果も高い。
グリコール酸は、人によっては肌への刺激は多少あるが効果は極めて高い。
乳酸は、肌への刺激は少ないが効果は柔和。


ケミカルピーリングの施術の様子



<引用:ヒロ美容クリニック様>

他の治療と併用されるケースが多い

ビタミン成分のイオン導入や超音波を合わせて行うことで、高い相乗効果が得られるため、ケミカルピーリング単独での治療は少ないようです。


ケミカルピーリングを受ける前に

事前に読んでいただきたいのが、以下のサイトです。
>>公益社団法人 日本皮膚科学会 ケミカルピーリングQ&A

ホームピーリングとは?

20代半ばを過ぎた頃から、肌の健康のバロメーターとも言えるターンオーバーが徐々に乱れ始め、古い角質が重なり厚くなっていきます。

その皮膚表面の古い角質を取り除くスキンケア法を「ホームピーリング」と呼び、ご自宅用のピーリング化粧品を指します。

ケミカルピーリングは、角質を含む表皮層とその下の真皮層にまで威力を発揮しますが、ホームピーリングは、浅い位置(角質層内)で仕様するため、医療機関で受けるケミカルピーリングよりも効果はマイルドです。


ホームピーリングの効果

ケミカルピーリングのように、シミやシワを改善する劇的な効果はありませんが、継続的に使用することで、エイジングケア(年齢に見合った手入れ)が可能です。

 

  • ■なめらかさを与える
    古い角質が除去されることで、肌のゴワツキ感が解消してスベスベ感が増します
  • ■弾力を持てる
    古い角質が除去されることで、硬化した肌が柔らかくなります
  • ■キメが整う
    古い角質が除去されることで、見た目の網目が荒い肌から、網目の細かいメリハリのある肌に引き寄せます
  • ■潤いを手助け
    古い角質が除去されることで、肌の水分を保つ角質層内のセラミド形成をサポートします
  • 化粧ノリが向上
    メイクのノリは、肌の水分量と皮脂(顔の脂)のバランスで決まりますが、水分保持低下の要因である古い角質を除去することによって水分量が満たされ、メイクのノリが良くなります
  • ■毛穴の黒ずみ抑制
    毛穴の黒ずみ(角栓)は、皮脂と古い角質が混ざり合って出来るものですが、古い角質を取り去ることで、毛穴の黒ずみ(角栓)を防ぎます

<イメージです>


ホームピーリングに使用される成分

ピーリング化粧品に配合される成分は、乳酸・グリコール酸などのAHA(アルファヒドロキシ酸)が中心で、フルーツ酸と言われるクエン酸・リンゴ酸も多く使われています。

フルーツ酸は、果物由来の酸のためそう呼ばれているだけで、フルーツ酸という名称の酸は厳密には存在しません。

ピーリングの強さは、同濃度で比較した場合、グリコール酸>乳酸>リンゴ酸>クエン酸という順だと思われます。

なお、ケミカルピーリングで流行りのBHA(ベータヒドロキシ酸)は、化粧品には0.2%までしか配合できないため、防腐剤的な役割に過ぎず、ピーリングとしての効果はほとんど得られないでしょう。

酸が配合されていないピーリング化粧品もありますが、冒頭でもお伝えしましたように、ピーリングは「皮をむく」という意味ですので、古い角質を溶解するのではなく、擦って物理的に古い角質を剥がしやすくするピーリング化粧品(ゴマージュ)もあります。

 

ホームピーリングの種類
  • ・固形石鹸タイプ
  • ・ツブツブが入っているスクラブ洗顔料タイプ
  • ・塗布して拭き取る化粧水タイプ
  • ・擦ってボロボロと角質を剥がすジェルタイプ
  • ・塗ってしばらく放置してから洗い流すクリームタイプ
  • ・塗りっぱなしにする美容液タイプ

ホームピーリングの選び方

ピーリングのパワーを測る指標は、酸の濃度だけでは決められないということ。

酸の濃度に加えて、PH(ペーハー)とのバランスが鍵を握ります。

PHは酸の強度を示す数値で、1~14で表されます。
PH1が最も酸性度が強く、PH7が中性、PH14が最もアルカリ性度が強いという解釈で、数値が小さいほどピーリング効果が高い(皮膚への浸透性に優れている)ということになります。

医療機関(美容皮膚科など)でのケミカルピーリングは、酸の濃度が10%~30%以上・PH1~2程度(治療目的によって異なる)、エステサロンでのピーリングは、酸の濃度が10%以下・PH2~3程度、化粧品用のピーリングは、酸の濃度が10%以下・PH3以上だと思われます。
※あくまでも目安です

当サイトの主観的な見解になりますが、ピーリングとしての作用が期待できるボーダーラインは、最低でも酸濃度5%・PH4が必要だと考え得ます。
しかし、ピーリング化粧品の多くは、酸の濃度やPHの数値を公開していません。

ピーリング化粧品を選ぶポイントとしては、擦るもの(ゴマージュ)よりも、塗って1分~3分放置すると、知覚(ピリピリ感・ムズムズ感など)を伴うものが良いでしょう。

そして、浸け置き時間によっても効果に差が生じますので、ご自身で調節できるタイプがベターです。

また、ホームピーリングは、医薬品医療機器等法(旧薬事法)で謳われている「一般化粧品」の効果の範囲内で処方されており、目に見える形での肌への変化は予見できないため、消費者の目を欺く製品も見受けられます。

「ピーリング擬き(もどき)」と思ってしまうような商例をご紹介致します。
>>角質ポロポロ…? 『ピーリングジェル』の正体に迫る 


ホームピーリング後のケア

古い角質を取り去ることで、化粧品成分の浸透性(角質層内まで)がアップします。
ピーリング後には、ビタミンC誘導体入りの化粧水や、ビタミンA誘導体入りの美容液がお勧めです。

また、古い角質が取り除かれたことで、突っ張り感や乾燥感を覚える人もおられますので、保湿化粧品をしっかり塗布することを忘れずに!

加えて、ピーリング後は紫外線を吸収しやすくなるため、日焼け対策が必要ですが、日中にファンデーションによるメイクをしている人なら、ある程度の紫外線を防御できるので、深刻に意識する必要はありません。


ホームピーリングの注意点

各製品の使用方法を厳守する必要はありますが、基本的に1週間に1回が適度で、やり過ぎは良くありません。

ホームピーリングを行った際の肌状態や体調によっては、その日や翌日に、部分的にポツンと赤みなどが出ることもありますが、数時間~半日程度で消える場合が多いです。
つまり、ご自宅用のピーリング化粧品は、皆さんが思っているほど強力なものはないということです。

ただし、使用後に肌全体が異常に赤くなる、洗い流した後もヒリヒリした痛みや火照りが続く、等の症状が出た時は、早目に医師の診察を受けましょう。

ケミカルピーリングとホームピーリングのメリット・デメリット

医療機関(美容皮膚科など)でのケミカルピーリングは、施術内容によっても異なりますが、1回の費用が約10,000円前後となっており、数回の通院が必要です。

ある程度の支出は伴いますが、医師による診断で、ご自分の肌質に合ったピーリングを受けられるので、最適な治療が望めます。

特に、肌が弱い人・敏感肌の人・皮膚疾患をお持ちの人は、医療機関(美容皮膚科など)にご相談されることをお勧めします。

また、アフターフォローも万全で、万が一のトラブルにも親身に対応していただけるため安心です。

ご自宅でのホームピーリングは、ケミカルピーリングに比べて圧倒的に効果は劣りますが、安価で且つ、自らのペースで長期的なエイジングケア(年齢に則した手入れ)が可能です。

最後に

ピーリングは、ビューティーアップが可能な嬉しい美容法です。
試してみる価値は十分にありそうですね!

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