皮脂を抑えることは可能!? 皮脂と上手く付き合うための5つのスキンケア
初めての方は、当サイトの理念をご覧下さい。インターネットなどの普及により、皮脂にまつわる様々な情報が氾濫しています。
このコラムでは、皮脂の真実に迫ってみたいと思います。
皮脂を理解しよう
出典: http://www.kao.com/jp/skincare/structure_06.html
皮脂は、真皮層から毛穴に開口している皮脂腺より肌表面に分泌される、顔の脂を指します。
皮脂腺が多い部位
皮脂を分泌する皮脂腺は、ほぼ全身に分布(手の平と足の裏のみありません)しており、体の部位によって数が異なります。
皮脂腺の多い順に並べると、頭皮⇒顔(主に額・鼻・鼻横周辺)⇒胸⇒背中⇒腕・脚となっておりますが、多少の個人差はあります。
皮脂分泌の多寡
皮脂は、1日に平均1~2g分泌されていると言われますが、分泌量は女性より男性のほうが多い傾向にあります。また、冬より夏のほうが皮脂腺の働きが活発になります。
年代で見ると、10代後半~20代が最も分泌が盛んで、女性は30代初め頃~男性は50代初め頃~少しずつ減少します。
皮脂の成分
皮脂は、中性脂肪43%/ワックスエステル25%/脂肪酸16%/スクアレン12%/コレステロール・コレステロールエステル1~2%で構成されています。
皮脂の役割
皮脂が分泌されると、皮脂膜と呼ばれる膜を形成して肌を弱酸性に保ち、雑菌の繁殖を抑えています。
また、肌を滑らかにしてツヤを出します。
若干ですが、肌の潤いを守る働きもあります。
疑問1/皮脂の分泌は抑制できる!?
これは、脂性肌(オイリー肌)の人が抱える悩みのトップです。
過大な皮脂が肌に与える影響
皮脂の分泌が多い人は、テカリ・ギラツキ・ベタツキが生じやすく、ニキビができやすいと言えます。
また、皮脂が刺激となって赤みを帯びたり、脂漏性皮膚炎を起こす場合もあります。
皮脂を抑制することはできない
残念ながら、皮脂の分泌はホルモンの影響が大きく関わっているため、季節による自然の増減を除いては、スキンケアや化粧品で抑えることはできません。
間違った皮脂対策
「冷水で肌を引き締めると、毛穴が引き締まって皮脂が少なくなる」などの美容法も出回っていますが、ほぼ無意味です。
肌を冷やすと、立毛筋という人体で一番小さい筋肉が収縮してキュッとなったように感じますが、その効果は30分も持ちません。百歩譲って、たとえ一時的に毛穴が縮まっても、皮脂を抑制する根本的な解決にはなりません。
疑問2/皮脂は肌の水分を守る!?
「皮脂を取りすぎると肌が乾燥する」と、思い込んでいる人が大勢います。
皮脂の水分維持力は少ない
肌の水分維持に対する貢献度は、角質層に存在するセラミド(細胞間脂質)が約80%を占めており、次に天然保湿因子(NMF)が約17%、皮脂は残りの約3%にずきません。
つまり、皮脂が肌の潤いを守ることは困難なのです。
赤ちゃん肌が理想的
赤ちゃんの肌を思い描いて下さい。瑞々しいプルプル感がありますよね。
これは、水分が多く皮脂が少ないという理想的な肌質をしているからです。
疑問3/皮脂は肌老化を招く!?
皮脂腺から皮脂が分泌されると、時間と共に肌上で酸化して「過酸化脂質」という物質に変わります。
過酸化脂質による悪影響
あまり知られていませんが、過酸化脂質は、毛穴周りの表皮にダメージを与えて毛穴の開きを促進します。さらに、その毛穴の開きが連なってシワになることが確認されています。
皮脂が多い部位から肌老化が進行する
顔の中で皮脂が多いのは、額から鼻にかけて(Tゾーン)と鼻横周辺ですが、よく見ると、それらの部位は他の部位よりも毛穴の開きが大きいはずです。
つまり、皮脂の多い部位は老化しやすい、言い方を変えると、皮脂の多い部位の悩みが増えてきたら、肌老化の始まりのサインなのです。
皮脂が多い部位は肌トラブルが現れやすい
また、脂漏性皮膚炎・ニキビ・肌荒れ・赤ら顔などのトラブルも、皮脂が多い部位に見られるのが特徴です。
疑問4/皮脂はメイクとの関係が深い!?
年齢を重ねるごとに、メイクのノリが悪くなってきた…
夏場のメイクは、短時間で崩れ始める…
多くの人が、このような悩みをお持ちのことと思います。
メイクのノリは皮脂と水分のバランスで決まる
女性は、30代に入ると皮脂の分泌が少しずつ減っていき、40代に入ると急激に減少します。さらに、普段のクレンジングなどで長年刺激を与えているため、肌の水分も低下しやすい傾向にあります。
結論を申し上げますと、メイクのノリは皮脂と水分のバランスで決まります。つまり、乾燥しやすい肌は粉浮きしやすくなり、逆に、皮脂が多い肌は崩れやすくなるというわけですね。
夏場にメイクが崩れやすい理由
夏場はメイクの崩れが目立つ傾向にありますが、その理由としては、メイク料に含まれる油分と皮脂が混ざり合うことです。
勘違いされやすいのが、汗によってメイクが崩れるという間違った見解です。汗は約99%が水で構成されており、メイク崩れの原因となる油成分は含まれていません。
つまり、汗がメイクを崩すことはないのです。
一体皮脂はどうすれば良いの!?
上記の疑問を総合的に判断すると、皮脂は適宜に取り除いたほうが良いと言えそうですね。
ここからは、皮脂と上手く付き合うための対策を解説致します。
皮脂対策1/洗顔
皮脂を取り除くための主役ケアは、洗顔です。
洗顔の一番の目的は古い皮脂を落とすこと
朝は水洗顔だけという人もおられますが、皮脂は寝ている間にも分泌・酸化しており、また、文字通り脂のため水だけでは落ちないので、洗顔料を使っての洗顔を行いましょう。
皮脂は、分単位で分泌されているので、多少落としすぎても心配いりません。
洗顔頻度を心得る
ただし、1日何回も洗顔をやりすぎると、逆に皮脂の分泌が増えることもあります。
皮脂量は、皮脂膜によって分泌がコントロールされていますので、洗顔によって皮脂膜がなくなると、皮脂膜を作ろうとして分泌量が増えます。つまり、皮脂腺が鍛えられ、皮脂の分泌に拍車がかかるということ。
洗顔は、1日2回(朝晩)がベストです。
洗顔時の摩擦には要注意
また、洗顔による過度な摩擦は、肌の水分を保つセラミド(細胞間脂質)も一緒に落としてしまうため、潤い感が失われます。
洗顔料の泡を使って、転がすように優しく洗うことがポイントです。
鼻横のくぼみ周辺は、皮脂が多いことに加えて洗浄を忘れやすい部位のため、意識して洗いましょう。
洗顔料は固形石鹸タイプが良好
洗顔料は、ペースト状のフォームタイプより固形石鹸タイプのほうが、サッパリと皮脂や汗汚れを落としてくれます。
>>洗顔料の詳しい解説は
皮脂対策2/ビタミンC誘導体入り化粧水
ビタミンC誘導体という化粧品成分は、若干ですが、皮脂分泌抑制と皮脂酸化予防の作用があります。
ビタミンC誘導体は化粧水がベスト
ビタミンC誘導体は複数の種類がありますが、パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na、あるいは3-O-エチルアスコルビン酸、あるいはリン酸アスコルビルMg、あるいはアスコルビルリン酸Naと表記されたものが良いでしょう。
ビタミンC誘導体は、水に溶けやすい水溶性成分のため、化粧水やローションにたくさん配合されています。
>>ビタミンC誘導体の詳しい解説
皮脂対策3/油分の少ない美容液
先ほど申し上げましたように、皮脂が水分を維持する割合は少ないのですが、「皮脂が肌の潤いを守っているため保湿は必要ない」と思っていらっしゃる人もいます。
皮脂量が多い人でも保湿は必要
そのせいか、保湿ケアをしないために、皮脂が多いけど乾燥するという乾燥脂性肌(混合肌)の人が増えています。
さらに、皮脂はテカリの原因になりますが、肌の水分量が少ないと、皮脂と水分の格差が生まれて余計にテカリが目立ちます。
保湿をすることによって、皮脂と水分のバランスが縮小し、皮脂浮きを軽減できるのです。
サラッとした保湿美容液が上々
ただし、保湿化粧品の選び方が重要です。
保湿化粧水だけでは不十分ですので、それ以外の保湿アイテムが必要ですが、当然油分の多い乳液やクリームは避けるべきです。
そこでお勧めなのが、サラッとした保湿美容液です。できれば、オイルフリーやオイルカットのものを選択して下さい。
保湿美容液は、化粧水よりも保湿成分が多く配合されやすいため、しっかりと潤いを与えてくれます。保湿力に優れたセラミド・ヒアルロン酸・コラーゲンなどの成分が入ったものがベターでしょう。
一石二鳥効果として、室内のエアコンで肌が乾燥するという人も少なくないため、保湿美容液を取り入れることで、外気から肌を守ってくれます。
皮脂対策4/あぶら取り紙
昼間の皮脂対策としては、あぶら取り紙が効果的です。
あぶら取り紙の要点をまとめました
- ・皮脂が浮き始めたら、コマメに取り除くこと
- ・額・鼻・鼻横周辺の皮脂は、意識して数回取る
- ・擦るのではなく、押さえるほうがよく取れる
- ・一度使った紙は再使用せず、常に新しい紙を使うこと
- ・ティッシュで取るよりも、断然肌に優しい
- ・洗顔のように、全ての皮脂が取り除かれることはなく、肌を守る必要な部分は残るため、昼間の皮脂対策にはベストである
- ・「金箔打紙製法」と呼ばれる加工製法で作られたあぶら取り紙が、非常に密度が高く吸着力に定評がある
皮脂対策5/生活習慣
皮脂の分泌量は、生活習慣との関わりがあるようです。
規則正しい生活を心掛ける
イライラなどのストレスや寝不足による疲労の蓄積は、男性ホルモンを向上させて皮脂の分泌量を増やすと言われていますので、日頃から規則正しい生活を心掛けましょう。
リノール酸を避ける
食生活では、油もの・刺激物・甘いものの摂り過ぎはいけません。
特に、高脂肪食に代表される「リノール酸」は、皮脂の分泌が高まることが確認されています。
べに花油(サフラワー油)・ひまわり油(サンフラー油)・コーン油・サラダ油・大豆油・ごま油などはリノール酸が多いため、調理の際はオリーブオイルが良いです。
食品で言うと、天ぷら・フライなどの揚げ物、ドレッシング・マーガリン・ポテトチップなどのスナック菓子、インスタントラーメン等の過剰摂取は控えましょう。
油以外では、くるみ・ピーナッツ・アーモンド等にもリノール酸が多く含まれています。
最後に
たかが皮脂と言えども、とても奥が深いということがお分かりいただけたと思います。
多くの皆様が、美肌キープのために、最適な皮脂対策を実践されること願ってやみません。
>>目からウロコ!?化粧品の本音
メイク・コスメランキング
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